<トップ戻る>
第4章 電動機
4.5 クレーン用交流電動機の短時間定格と反復定格
図4.5.1 短時間定格と反復定格
備考1.従来の30分定格とか1時間定格とかいったような時間定格と反復定格との関係は、
起動時における損失や熱時定数の変化を無視すれば、次の関係式で表わされる。
2.本図は、一般的なクレーン用電動機について、極数別の短時間定格と反復定格の
おおよその関係をグラフで例示したものである。なお、負荷のGD2や始動ひん度が非
常に大きな場合には、起動時における損失や熱時定数の影響のため、この図で示す
よりも多少大きな時間定数が必要になる。
3.%EDはドイツのVDE(Verband Deutche Electrotechniker)規格に規定されているもの
で、「Einschalt Dauer」の頭文字をとったものであり、IECやヨーロッパで使用されている。
日本では、JEM1202-1983(クレーン用電動機)に規定されている。例えば、デッキクレ
ーンなどの電動機定格表示で、「22kW連続/30kW 15%ED」と二重定格で示される場合
は、連続一定出力なら22kW、反復高出力なら30kW 15%ED(いわゆる15%の負荷時間
率)を保証することを意味する。
例えば、この図から、6極の場合、「15%EDはおおよそ30分短時間定格に相当する。」
ことを読み取ることができる。
4.短時間定格の時間の標準値は、5、10、15、30、60、90及び120分であり、反復定格の
負荷時間率の標準値は、15、25、40及び60%である。