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第7章 航海機器・無線機器
7.2 無線機器空中線の干渉
表7.2.1 無線機器配置チェック
番号 機器名称 送信/受信 周波数 装備の
有無
配置上のチェック 適/否 備考
1 MF/HF送信アンテナ 送信/受信 送信/受信:
1.6MHz〜30MHz/90MHz〜30MHz
1:インマルサット-Cから4m以上とする。
2:ロラン等のアンテナからは、10m以上離す。
3:対風速60m/sの時、10m垂直アンテナのしなりは約4mのため、周辺4mの構造物
 から離す。
2 インマルサット-C 送信/受信 送信:1626.5〜1646.5MHz
受信:1530〜1545MHz
1:船首尾方向において仰角-5度〜90度、左右舷方向において仰角-15度〜90度内
 にシャドーセクターが2度を超える障害物がない。
  (無指向性空中線の場合)
2.MF/HFアンテナから5m以上離れた場所に配置する。
3.VHFアンテナ及びGPSアンテナから4m以上離れた場所に配置する。
4.磁気コンパスから0.3m以上離れた場所に配置する。
5.レーダー探知機の旋回する領域の2m以上外側で、レーダー波の放射エリア外に
 なるように配置する。
6.アンテナを水平に2台装備する場合は、受信感度が劣化しないために4.8m(少な
 くとも3.5m)以上離して配置する。
7.インマルサット-Cの受信中にインマルサット-F及びFBBの受信感度が劣化しな
 いために、アンテナから5m以上離れた場所に配置する。
8.船舶の煙突から排出される煙、75℃を超える熱を浴びない場所に配置する。
9.激しい振動や衝撃を受けにくい場所に配置する。
3 インマルサット-F 送信/受信 送信:1626.5〜1660.5MHz
受信:1525〜1559MHz
1:仰角5度〜90度、半球(天頂)方向に出来るだけ障害物ない。
2:他のインマルサット装置とは、水平方向で5m以上離して配置する。
3:レーダーの垂直ビーム角±15度以内には配置しない。
4 FBB
(フリートブロードバンド)
送信/受信 送信:1626.5〜1660.5MHz
受信:1525〜1559MHz
1:仰角5度〜90度、半球(天頂)方向に出来るだけ障害物ない。
2:他のインマルサット装置とは、水平方向で5m以上離して配置する。
3:レーダーの垂直ビーム角±15度以内には配置しない。
5 No.1 レーダー
(Sバンド)
送信/受信 送信:3050MHz 1:垂直ビーム角±20度以内に障害物がない。
2:複数の空中線を近接して装備する場合は、最低でも1mの高低差をつけて互い
 の垂直ビーム幅の範囲に入らないようにする。
3:垂直ビーム幅の範囲に、VHFアンテナやGPSアンテナ、インマルサットのアン
 テナレドームが入らないように配置する。
6 No.2 レーダー
(Xバンド)
送信/受信 送信:9410MHz 1:垂直ビーム角の1/2角度以内に障害物がない。
2:複数の空中線を近接して装備する場合は、最低でも1mの高低差をつけて互い
 の垂直ビーム幅の範囲に入らないようにする。
3:垂直ビーム幅の範囲に、VHFアンテナやGPSアンテナ、インマルサットのアン
 テナレドームが入らないように配置する。
7 国際VHF無線電話 送信/受信 155〜163.5MHz 1:2台装備で2本以上装備する場合、垂直方向に4m以上離れて配置する。 相互干
渉防止
8 GPS 受信 1.5GHz 1:インマルサットのアンテナから5m以上離し、かつ、その送信ビーム範囲を避
 ける。
2:レーダーのビーム角内には配置しない。Sバンドレーダーとは、上下2m以上及
 び水平距離3m以上離す。
3:VHF,MF/HFおよび方向探知機アンテナから3m以上離す。
4:アマチュア無線アンテナから3m以上離す。
5:上空の衛星がまんべんなく受信できる見通しの良い場所に配置する。
9 船舶電話 送信/受信 2.5GHz 1:衛星方向に対するシャドーセクターが下記より小さい。
 ・北海道方向:5度31分、東京方向:6度45分、大阪方向:7度02分、
  沖縄方向:8度37分
2:レーダーの垂直ビーム角±20度以内には配置しない。(困難な場合は相互の距
 離を9m以上離す。)
10 気象衛星受信装置 受信 1691MHz  1:船首尾、左右舷俯角において30度以上に障害物がない。
11 ナブテックス受信機 受信 ・国際ナブテックス
 419kHz
 518kHz
 4.2MHz
・日本語ナブテックス
 424kHz
1:ホイップアンテナから半径1m以内に障害物はない。
(1)構造物との関係
  導電体構造物から少なくとも2m離す。
(2)レーダー、無線機等の高電力送信物との関係
  ・少なくとも3m離す。
  ・ビームの3m外とする。
振れに
よる接
触防止
12 BSアンテナ 受信 11.7〜12GHz 1:衛星方向に障害物がない。
2:レーダーの垂直ビーム角±20度以内には配置しない。
映像ノ
イズ防
13 AIS 送信/受信 156.025MHz〜162.025MHz 1:構造物との関係
(1)導電体構造物から少なくとも2m離す。
(2)高い構造物から離す。
(3)AIS用VHFアンテナGain:垂直方向 3-5dB
(4)AIS用VHFアンテナ水平方向視界:360度
2:レーダー、無線機等の高電力送信物との関係
(1)少なくとも3m離す。
(2)ビームの3m外とする。
3:VHFアンテナとの関係
(1)AIS用VHFアンテナとVHFアンテナとは同じ水平高さに置かない。
 少なくとも上下2m離す。
(2)水平高さの場合、約10m離す。
14 GPSコンパス 受信 1.5GHz 1:インマルサットのアンテナから5m以上離し、かつ、その送信ビーム
 範囲を避ける。
2:レーダーのビーム角内には配置しない。Sバンドレーダーとは、上
 下2m以上及び水平距離3m以上離す。
3:VHF,MF/HFおよび方向探知機アンテナから3m以上離す。
4:アマチュア無線アンテナから3m以上離す。
5:上空の衛星がまんべんなく受信できる見通しの良い場所
6:マストから2m離す。
15 気象FAX 受信 2MHz〜25MHz 1:ホイップアンテナから半径3m以内に障害物を配置しない。
備考 本表は日本無線(株)の無線機器配置チェック表であり、配置上充分満足するものではないので、メーカの指示があればそれに従い配置すること。

     

図7.2.1 N-STAR衛星船舶電話のアンテナの取付け(レーダー空中線との関係
(注)N-STARのアンテナの装備要領については、NTTdocomoの資料を参考とした。また、N-STARは、WIDESTARとも呼ばれている。

図7.2.2 N-STAR衛星船舶電話のアンテナの取付け(マストとの関係)

図7.2.3 衛星放送受信装置用BSアンテナの取付け